無人駅を図書館にしてみたら(ステーションライブラリーREPORT)
2023/2/23
「ステーション〇〇プロジェクト」と題した取り組みについて発信したのは3ヶ月以上も前。そして、「ステーションライブラリー」という第一弾の実践を始めてから、2ヶ月以上が経過しました。ようやく、レポートを書いています。構想から計画、実践まで走った後、なかなか振り返りを言葉にするまで手が回らず…反省。でも、時間が空いたからこそ、新鮮な感想にとどまらない想いや、その後の予期せぬ展開についても書くことができます。取り組みを始めてから今日までのこと、そして、これからのことについて、よければ読んでみてください。
2022.11.19 ステーションライブラリー@香住駅
ステーション〇〇プロジェクトは、駅で絶対にこれをやるんだという決まったアイデアはなく、走り始めたプロジェクトです。一つだけ、土台にあるのは、「無人であっても、まちに暮らす人の息づかいが感じられるような場づくり」というコンセプト(詳しくはプロジェクト始動の際のブログを参照…)。そんな土台にあるコンセプトから、「まちに想いを寄せる人たちが選んだ本に出会える空間」というアイデアができ、ステーションライブラリーを計画しました。
11月19日、香住駅に集まったのは19人。町内からの参加はもちろん、神戸・大阪・京都・鳥取など町外からも関心を持って集まってくれた仲間の存在に、少し驚きつつ、これからが楽しみになる瞬間でした。参加者の皆さんにはお気に入りの本を持って集まってもらったこともあり、自己紹介もそこそこに、持ち寄った本を会話の切り口にして、あっという間にそこかしこで会話が生まれます。きっかけがなければ出会わなかっただろう人たちが偶然、この企画をきっかけに出会って会話を弾ませている瞬間を目の当たりにし、とても嬉しくなりました。
当日は、1日を通して、本を貸し借りするために使う代本板作りや、本棚に取り付ける切符型のポップ作り、本棚への本の設営などを参加者の皆さんと一緒に行いました。夕方、完成した本棚を目の前にして、湧き出てきた感情は、前向きでこれからが楽しみになるような充実した感情でした。駅が無人化することによる困りごともあると思いますが、そのことを受け入れながら今できることを考えたり、自分たちの手で状況をより楽しく変えていこうとすることを、実際に行動に移せたことは大きな一歩だったように感じます。
それからのステーションライブラリー
ステーションライブラリーをお披露目してから、まちの人からの嬉しい感想が聞こえてきました。「素敵な場所になった」「本を見ながらゆっくりお茶をしました」「本を大切に想う気持ちが共有されて地域にいい影響がある」などなど。駅を使う女子高生は「一気におしゃれになった、スタバみたい」と言っていたらしいです。笑
その後、棚の様子をチェックすると、本はつぎつぎに借りられています。「今まで本を読むこともなかったのに、今は寝る間も惜しまず本を読んでいる」「借りた本にハマって続編をまちの書店で注文した」という声も届きました。
また、無人の場所だからこそ、空間の治安が乱れないか心配もしていたのですが、地域の方々が気にかけて見守ってくださっていて、僕たちが出向けない時にSNSで様子を教えてくれたり、棚を綺麗にお掃除してくれる方もいます。本当に感謝。
思いがけず、早いペースで本が借りられていっていて、嬉しい誤算に少し焦りつつ、ここから、さらに町内の方々から本を紹介してもらうような企画にも着手しようと準備を進めています。ぜひ楽しみに足を運んでいただき、香住駅の待合室を可愛がっていただけると嬉しいです!そして、ステーション〇〇はまだ始まったばかり。香住駅以外の駅での取り組みも含め、〇〇に入る次なるアイデアを考えて、カタチにしていきたいと思っていますので、ぜひ皆さんのチカラを貸してください!