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スクランブルは、赤ちゃんからおじいちゃん・おばあちゃんまで、店主さんも会社員さんも公務員さんも大工さんも、まちに関わるたくさんの人が垣根を超えてごちゃ混ぜになりながら楽しく創るムーブメント。そんなスクランブルが、2024年10月12日にスタートしました。スタートの場所は香住第二中学校。3年前に閉校して、校舎に人の姿はなく、虫たちの住処になりながら静かに佇んでいた場所。スクランブルが始まったその日、香住第二中学校には300人を超える人が集まりました。

スクランブルは単なるイベントの名前ではなく、ムーブメントの名前のつもりで付けました。でも、企画したメンバーもそのムーブメントについて上手く言葉で言い表しきれない感じ。だからこそ、言葉や考えを磨くことはそこそこにして、とにかく現場にたくさんの人に居合わせてもらって、一緒に時間を共有してもらえれば、考えていることの輪郭がはっきりするんじゃないか。そんな期待を携えながら、スタートの日としてイベントを作りました。

このレポートは、会場に来てくれたみなさんと一緒に読み返すことで当日の雰囲気を思い出して、「この地域で暮らすって楽しいよね」とか「みんなでごちゃ混ぜになりながらアイデアやチカラを持ち寄ればこれからどんなことだってやっていけるんじゃない?」って楽しく前を向けるように書き留めるものです。そして、会場で時間を一緒に過ごすことは叶わなかった人へ「今度またスクランブルの中で一緒にごちゃ混ぜになって楽しいことをしよう」ってお誘いするものです。

レポートを書くのにあたって、まんべんなく書き切る難しさを感じて、まんべんなく書かない方がいい気がして、ここから先は印象的だった事柄を写真と一緒に断片的に書き残す形にします。断片的なレポートからみなさんそれぞれのスクランブルを膨らませてもらえると嬉しいです。

「楽しんでやる!」という心持ち

10月12日、当日は10時に開場。ただし、メインコンテンツの屋台を並べたマーケットは11時からスタートでした。まだ準備段階の10時にオープンすることで、お客さんとしてではなく、このムーブメントに一緒に立ち会う人として関わってほしいなぁとおぼろげに考えたのが、この時間設定の背景です。

当日10時を迎えてみると、予想以上にたくさん地域のみなさんがやってきてくれました。しかも、それぞれに「楽しんでやる!」という意気込みというか、気概というかが見えるような。この場を楽しむためにお家からチェアを持ってきたり、レジャーシートを持ってきたり、シャボン玉を持ってきたり。そんな様子を見ながら、僕たちも準備をしながら自然に「これ手伝ってもらえません?」と知り合いに気軽に声をかけることができたり。この場にはもうすでに、企画側と参加側みたいな壁はなく、みんながスクランブルを作る1つのピースという感じだった気がします。この時点で、「もう何をやっても楽しいし、成功と思えるよね」っていう土台ができていたように思います。

心のなかにある「楽しむ」を開放する中庭

11時になるといよいよ屋台がスタート!どこで知ってくれたんだろう…と思うくらいにどんどん地域の人がやってきて、駐車場係は軽いパニック状態に。想像していなかったうれしい悲鳴です。誰かが何かを指示したり仕切ったりしているわけではないけれど、会場の中でみんながそれぞれに落ち着ける場所を見つけて、楽しい遊びを見つけて、屋台から美味しいものや気になる本を見つけて、自由に笑って過ごす光景。

日常の中で当たり前にとなり近所に人が住んでいて、その中には当たり前に子供もおじいちゃんもおばあちゃんもいるんだろうけど、そのことが目に見えて感じられることって結構少ない気がします。それぞれが、保育園、学校、会社、施設、お家、それぞれの社会で交わらずにある程度一定の毎日を過ごしているのは普通のことです。でも、中庭に広がっている光景を見たときに、小さな中庭なのに「少し世界が広がるような」「地域の広がりを感じるような」感触。しかも、普段はみんな与えられた役割の中で当たり前の振る舞いをしがちだけど、この中庭には役割も当たり前もなく、純粋にみんなの心の中にある「楽しむ」が開放されているような感触まである。すげーーー、めちゃくちゃいいーー、これだけで幸せと言えるーー。そんな時間でした。

やってみる!振り返る!妄想する!

今回300人を超える人たちを受付で出迎えてくれたのは2人の小学生。「やってみよ」って感じの軽いノリで始めてもらったけど、2人の中で役割を考えながら一人一人と接する姿が率直にすごかった。駐車場係をしていた大人も「受付の2人まで繋げばもう大丈夫、ちゃんとみなさんを出迎えてくれる」と安心してバトンパス。朝から夕方まで、1人1人がどこから来てどの年代なのかちゃんとアンケートしながら300人以上を出迎える2人のチームワークは時間を追うごとに良くなって、時間を追うごとに2人なりの改善がされているようで、「もうちょっとで300人だから呼び込みに行こう!」と駆けていく2人を見ながら、「やってみよ」って軽いノリでまず「やってみる」ことの大切さを実感しました。

そして、イベントの最後にはみんなで輪になって大反省会。受付の2人ももちろん一緒に。2人からは「また次もやりたい!」「次は子供がお店に立つ屋台があったらいいかも!」と新しいアイデアが飛び出して、ワイワイみんなでアイデアを膨らませました。

やってみて、振り返って、妄想して、またやってみる。大人も子供もごちゃ混ぜになって、それぞれができることをやってみる。それがスクランブルです。

NEXT スクランブル…

次はどこで何をやろうかと楽しみな想像が尽きません。今回作った屋台はまたいつでも地域の余白に持ち出せるようになっています。スクランブルが何かする度に廃校はみんなで掃除されて新しい空気が吹き込まれる。スクランブルが動くと地域の余白がワイワイ楽しい声と笑顔で彩られて、その場所がみんなで使える場所になる。そんな楽しいムーブメントは続きます!